僕も結構長い期間、人間やっていますので人を必ず笑わせることのできる「鉄板ネタ」の1つや2つ持っているわけですよ………。
どぉ~もぉ~ポルですヽ(^o^)ノ
今回は 僕がまだ調理師をしていた頃に起きた実話を話します。
何年ほど前になるでしょうか、僕はビュッフェレストランで働いておりました。
そのレストランは1500円で80種類の料理と、30種類のデザートメニューが時間無制限で食べ放題という、魅力的なイカれたレストランでした。
オープン直前には、ものすごいウェイティングとなり、営業開始前なのに350人待ちになるほどの人気店、お店がオープンすると、当然 厨房は戦場のようでした!
朝の8時ごろから準備を始めて、11時にオープン開始、14時のランチ営業終了までノンストップで働き、また17時半からディナーが始まるので、その準備をすぐに始めて21時の営業終了までノンストップで働く超ハードな職場でした。
そのような職場ですので、パートさんの入れ替わりも激しく、すぐ人が辞めてしまい求人をかけても中々人が集まりません。
そんな困っていた時期に、パートで働く希望を出してきたのが 田中さん(仮名)60歳!
結構 年配の方で、面接で話しているときに 少し話しにくそうな?感じが気になりましたが、 調理の経験もあり田中さん以外 誰も希望者がいなかったので、選択の余地は無くすぐに採用の運びとなりましたw
何よりも良かったのはその人柄でした。
田中さんは、歳が半分以下の自分の言う事でも嫌な顔ひとつせず、素直に聞いてくれる信頼できる方でした。なので、もともと調理経験があるという事もあり、レストランのメインの「鉄板コーナー」で、チキンステーキを田中さんに任せて焼いてもらうことにしました。
このレストランは連日お客様で満員。
その中でもチキンステーキは大変好評で、オープンするとすぐ田中さんが焼いている目の前に、長蛇の列ができ支配人の真島さん(仮名)45歳もその光景にご満悦でした。
レストランがオープンすると鉄板コーナーはもちろん忙しくなりますので、初めのうちは僕も田中さんを手伝い チキンステーキを一緒に焼きます。お客さんが落ち着いてくると僕は調理場に戻り、他の忙しい場所を手伝うという感じでした。
真島支配人も「田中さんが入ってくれてとても良かった!」と、職場での信頼も厚いものになっていきました。
しかし、僕はこの頃から 田中さんに気になるところがあるのを感じ始めていました。
急激に忙しくなるとテンパるのです!
まーしょうがないな、とは思っていましたがテンパり方が激しく、口がアワワワワと大きく開き、口をパクパクさせてしまうのです!(゚д゚)!
真島支配人は、チキンステーキに並ぶお客様が少なくなってくると不安になってくるのか?鉄板コーナーの横に立ち「ただいま、当店自慢のチキンステーキが焼きあがりました~ 今、空いていますので良かったらどうぞ~」と、お客様を呼び込みます!
すると、またまたお客様の長蛇の列ができ、田中さんがバタバタとチキンを焼いていくのですが、この時は僕が手伝っていないので田中さん一人で焼くことになります。真島支配人に「手伝ってください!」と田中さんが言えるはずもなく、それはそれは忙しくテンパっていたことでしょう。
いつも不平不満を言わない田中さんから「忙しすぎます!」との相談を受け、真島支配人に「田中さんが忙しそうだったら、すぐに僕を呼んでください!」と伝えました。
そして、その事件は起きました。
あれは忘れもしません。
子供達が夏休みに入った初めの日曜日でした………。
レストランも間違いなく忙しいことが予想され、パートさんも多めにシフトに入れて、万全の態勢で夏休みの初めの日曜日を迎えました。
ウェイティングも過去一の客数で、とうとうオープンしましたヽ(^o^)ノ
鉄板コーナーの前にも小さい子供さんがたくさん並び、チキンが焼き上がるのを今か今かと待ち構えています (^-^)
田中さんも僕も気合十分でどんどんチキンを焼いていき、田中さんの口も冷静さを保ち穏やかな表情でテキパキとチキンを鉄板用のフォークとナイフで切っていました。
それを見て僕は安心し、お客様も落ち着いてきたので、一旦 調理場に戻りました。
オープンして1時間程経ち、いつもならこれぐらいのタイミングで真島支配人の方から「鉄板コーナーお願いします!」と内線がかかってくるはずなのですが、中々かかってこないので、おかしいな?と思っていました。
不安に思い鉄板コーナーに行ってみると…
真島支配人の姿はなく、とても冷静とは思えない表情の田中さんがー!(>_<)
急いで鉄板コーナーに入り手伝い始め、田中さんに「どうして呼んでくれなかったんですかー?」といっても返事がありません。
田中さんはアワアワと、口をパクパクさせテンパっています。(>_<)
しかしながら真面目な田中さんは体が勝手に動くのでしょう、目をキョロキョロさせながら、チキンをかろうじて焼いている状態!
まさに絶体絶命の大ピンチ!
そこで最後の一撃が入りました!
一番先頭に立つ小学校低学年ぐらいの男の子が一言
「すみません、速く焼いてもらえませんか?」
その瞬間!鉄板の上に何かが落ちた………。
カランカランカラン、カラカラカラカラーーン………!
熱々の硬い鉄板の上に 入れ歯が転がった www
それは紛れもなく 田中さんの入れ歯でした! (゚д゚)!
目の前の小学校低学年の男の子は目と口を大きく開いて、鉄板の上を指さし絶句していました!
付き添って列に並んでいたいたお母さんも、たくさん並んでいたお客さんも目を見開き、口を手で押えて驚きMAX状態!
そんな中、追い打ちをかけるように田中さんは、その鉄板の上に転がった入れ歯を慌てて拾い口に戻したのですwww
僕もその時、 絶句していて口には出ませんでしたが「ウソだろw」と思った瞬間に起こった、追い打ちをかけるようなサプライズ! (゚д゚)!
鉄板で凄く熱された入れ歯を口に戻した田中さんは、口をハヒーハフハフさせてバックヤードに逃げ込みました!
僕も田中さんを追ってバックヤードに行ってみると田中さんは悶絶してうずくまっておりました………。
終
以上「鉄板コーナーの田中さん」より
テレビで紹介された話題の商品です⇩
お客さんはチキンを今か今かと待っている緊迫した状況で起きた、真面目な田中さんだからこそ起こったこの珍事。
皆さんどうだったでしょうか? (^-^)
「笑ってはいけない」状況下で起こった「すべらない話」で出てきそうなレベルのこの出来事。
田中さんも人生65年生きてきて、初めての経験でしょう。
後から分かった事ですが、面接で60歳と言っていましたが実際は65歳だったそうです !
面接で話しにくそうだったのは年齢詐称と入れ歯だったから w
この事件の原因となった真島支配人は、大切なお客様が来ていてそちらの対応するために、この時いなかったことがわかりました。
このすぐ後、一時鉄板コーナーを中止して鉄板を洗い、途中まで焼いていたチキンも廃棄して、また鉄板を温めてチキンステーキを焼き始めた頃には、ランチの営業時間が少ししか残っていませんでした。もちろんその業務は全て僕がやりました (>_<)
悶絶していた田中さんはこの後すぐ病院に行き、口の中の軽いやけどで済みましたが、鉄板コーナーでチキンステーキを焼くことはもうありませんでした。
僕もしばらくして違うお店に行くことになったので詳しくは知りませんが、人づてに聞いた話によると、この事件後も真面目に働き、人柄も良く皆に信頼されていたとのことです。
しかし、1年後ぐらいの夏休みが始まる前に辞められたそうです。
これが僕の「鉄板ネタ」の1つ です。
以上、「年末ポルのすべらない話」でしたヽ(^o^)ノ
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最後までこの記事を読んで頂きありがとうございます !
ほなーーーー ! ヽ(^o^)ノ